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動悸・息切れ

動悸・息切れ

何となく胸の苦しさを感じたり、胸が締め付けられる感じがする場合は、動悸や息切れを起こしている可能性があります。動悸・息切れの原因となる疾患は多岐に渡るため、原因が心臓なのか肺なのかの判断は難しいです。考えられる原因としては、不整脈、心不全、呼吸不全、肺炎、気胸、喘息、狭心症、心筋梗塞、肺血栓塞栓症、甲状腺機能亢進症、貧血、薬物、不安、過換気症候群などが挙げられます。
このように、動悸や息切れを起こしている疾患は、心血管系、呼吸器系、内分泌系など多いため、症状を感じたら医療機関を受診して、原因を特定することが大切です。


動悸・息切れの原因

動悸や息切れを起こした場合は、心臓か肺、あるいはその両方に異常がある可能性が考えられます。心臓や肺などの臓器が疾患によって酸素不足に陥ると、運動などで筋肉や他の臓器が酸素を必要とするとき、酸素不足を補うため心肺の活動が活発になり、これが動悸や息切れを引き起こします。健常者でも激しい運動をした時は呼吸が苦しくなりますが、軽い運動にもかかわらず息切れを起こす場合には何かの疾患による可能性が高いため、医師による診察を受けることを推奨します。
また、心肺機能に問題がないとしても、甲状腺機能亢進症によって組織の代謝機能が活性化し、その結果組織が酸素不足に陥って動悸や息切れを起こすこともあります。
その他、貧血などでも血液が各臓器に酸素を運搬する機能が低下するため、酸素不足となり、動悸や息切れを感じることがあります。また、精神的ストレスや不安障害、パニック障害など心因的な原因の場合でも、心拍数や呼吸数が発作的に増加することもあります。


動悸・息切れから疑われる疾患

脈が速い(不整脈)

不整脈とは、脈拍のリズムが乱れた状態を言います。通常、心臓は1分間に60~70回の速さで規則正しく収縮と拡張を繰り返していますが、脈拍が急に120以上になったり、40以下になったりする状態が不整脈です。不整脈を起こすと、動悸や息切れ、めまい、失神などの症状が現れます。
脈が速くなる心房細動も不整脈の一種です。通常、心臓は右心房の洞結節から発生する電気信号により、規則正しく1分間に60~100回のリズムで拍動します。しかし、心房細動を発症すると、心房内で複数の電気信号が発生し、拍動が1分間に400~600回まで上昇します。その結果、心房が細かく震え、不整脈による動悸、めまいを引き起こします。
また、心房細動を発症すると、脳梗塞になる可能性が5倍、心不全になる可能性が4倍になるという報告もあり、注意が必要です。

疑われる疾患

発作性頻脈などの不整脈

脈が遅い・飛ぶ

脈拍が遅くなっている場合は、洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性不整脈を起こしている可能性があります。これら疾患があると、心臓から全身へ送る血流が不足し、息切れや倦怠感、また脳が血流不足に陥って意識障害が生じることもあります。最悪の場合は突然死に至ることもあるため、ペースメーカーの植え込み手術が必要となることもあります。
また、脈が飛ぶケースが見られたら、期外収縮を起こしている恐れがあります。期外収縮とは、正常な電気刺激の発生源とは異なる場所から電気が発生することで、脈が乱れる状態の疾患です。異常な電気刺激が心房で起こる場合を上室性期外収縮、心室で起こる場合を心室性期外収縮と言います。これらは最も一般的な不整脈のため、健康診断などで指摘されることも多いです。上室性期外収縮や心室性期外収縮は30歳以上のほとんどの人に見られ、年齢とともに徐々に割合が増加します。症状は、無症状の場合もあれば、重い症状を引き起こす場合まで様々なケースがあります。

疑われる疾患

洞不全症候群、完全房室ブロックなどの不整脈、期外収縮などの不整脈

動悸

動悸とは、心臓の拍動を自覚できるほど心拍が上昇した状態で、不安や興奮、緊張時に特に強くなります。必ずしも疾患が原因とは限りませんが、動悸が長時間継続したり、頻繁に起きる場合は、一度循環器専門医の診察を受けることをお勧めします。
動悸の原因は様々なケースが考えられますが、中には命の危険を伴う重篤な疾患による可能性もあります。最も一般的な原因は不整脈で、高齢者に多く見られますが、若い方でも発症することがあります。不整脈の中でも最も多い心房細動は、加齢とともに増加し、女性よりも男性に多く見られる傾向があります。

疑われる疾患

狭心症、心房細動などの不整脈、貧血、甲状腺疾患など


動悸・息切れの診断方法

動悸や息切れの原因となる疾患は多岐に渡るため、それらを特定するために、まずは問診で日頃の動作の際に起きる状態をお伺いします。
次に、貧血、甲状腺肥大、心雑音、肺雑音、心拍数、血圧、呼吸数、不整脈などを調べます。また、心不全、肺気腫、気胸、肺炎などの有無を調べるため、心臓の元の大きさや肺の影を確認することもあります。その後、心臓弁膜症、狭心症、心不全が疑われた場合は、さらに詳しい検査を行う必要があります。
その他、貧血、甲状腺機能、その他の異常を調べるために血液検査も行います。
これら一連の検査を行った上で特に異常が見られなかった場合は、ストレスや不安などの心理的影響が原因の可能性も考えられます。


動悸・息切れの対処法

動悸が起きたら、ゆっくりと時間をかけて空気を吐き出し、腹部を収縮させながら複数回深呼吸をしてください。リラックスできたら、ハンカチやティッシュにアロマオイルなどを染み込ませ、再度深呼吸をすると自律神経のバランスが整って気持ちが落ち着きやすくなります。
また、動悸は自律神経が関与していることが多いため、生活リズムを改善することも大切です。日光を浴びる、適度に運動をする、カフェインを多く含む飲料の摂取や飲酒・喫煙を控えるなど、生活習慣をあらためることで改善効果が期待できます。
ただし、動悸や息切れの原因は様々なケースが考えられ、特に突然発生する動悸や息切れは重篤な疾患のサインの場合があるため、注意が必要です。
治療法は原因疾患によって異なりますので、まずは医療機関を受診して原因を特定し、解決策を検討していることをお勧めします。